転職の面接でよく聞かれる質問ってどんなもの?
転職活動では定番の質問が固定化されています。
それだけに、事前に対策を練りやすく面接官に好印象を残せる回答を用意するのは十分に可能です。
無策で転職活動に挑んでもしっかり予習してきたライバルに差をつけられ、インパクトを残せません。
この記事では、転職の面接で頻出する質問と面接官の意図について解説していきます。
前の会社を辞めた理由は必ず聞かれる!
転職活動の面接ではまず「前の会社を辞めた理由」はほぼ確実に聞かれると想定しておいていいでしょう。企業は「問題を起こした人材」を積極的に採用したいとは思いません。
職場の和を乱さず、協調性に優れた人材と一緒に働きたいと考えています。
万が一、前の会社で上司や同僚と喧嘩をして辞めてしまったような人材は、
不採用になるリスクが高まるでしょう。
しかし、実際には人間関係でトラブルを起こして退職した人材もいます。
そんなとき、正直に「前の会社で喧嘩をしました」とストレートに告げる必要はありません。
「上司と意見が合わなかった」「人間関係になじめなかった」と言うだけで十分です。
また、どんなに前の会社に悪い思い出があったとしても面接の場では陰口を叩かないようにしましょう。批判をする人間は「うちの会社に入ってもどこかで陰口を叩くのではないか」と懸念を抱かれるからです。
会社にどうやって貢献するかを考えておく
新卒の面接でよくある質問は「あなたの長所を教えてください」です。
面接官は新卒者が自分を正しく分析できているかどうかを確かめようとします。
そして、「熱意」や「やる気」と答える就活生は多いでしょう。
しかし、転職志望者には同じ理屈は通用しません。
「やる気」を強くPRしたところで、「社会人経験があるのに精神論しかないのか」と
ネガティブに解釈されてしまいます。
やる気は重要な要素ですが、社会人であれば当たり前の心持ちともいえます。
面接官は転職者に対して「会社に貢献する具体的な方法」を知りたがっています。
「長所」を聞かれたときは性格ではなく、技術や経験について話しましょう。
あるいは「どのように当社へ貢献してくれますか」とストレートに聞いてくる面接官もいます。
資格や免許があればぜひとも伝えるべきですし、前の会社で残した実績についてはデータに基づいて詳しく説明しましょう。
どうして志望先を選んだのかは「テンプレート」で答えない
就職面接において「どうしてこの会社を選んだのか」は恒例となった質問です。
そして、新卒の就活生と転職者では面接官が期待している答えが異なります。
新卒の場合は社会を知らず、ビジネスマンとしての能力もゼロです。
そのため、会社への思い入れや憧れをぶつけると好感を持たれます。
しかし、転職者がいくら思い入れを語っても
「じゃあ、どうして前は他の会社にいたのですか」と言われれば説得力をなくしてしまいます。
転職者が志望先を選んだ理由は「思い入れ」よりも「適性」をアピールするべきでしょう。
自分がいかに会社で活躍できる人間なのかを深く説明していきます。
そして、前の会社で培った経験がいかに新しい職場でも役立つかを話しましょう。
面接官は転職者に「即戦力であること」を求めています。
入社してすぐに中心として働けるような態度を示しておくのは肝心です。
労働条件の交渉は慎重に行おう
転職面接の特徴といえるのが「労働条件の交渉」が往々にして含まれる点です。
「あなたはこの会社でどれくらいの条件を求めますか」などの質問を通し、
転職者の希望を伝えるチャンスがあります。
労働条件の交渉はキャリアを左右する大切な時間です。
しかし、あまりにも雄弁に労働条件について話してしまうと
「この人は給料や就業時間でしか会社を決めていないのではないか」と面接官を不安にさせてしまいます。
企業としては経営理念や仕事内容に共感してくれている人間と働きたいのであって、
労働条件が目当ての人間は信用しきれない側面があります。
もしも企業が一時的に経営不振におちいり、労働条件が悪くなったら
あっさりと転職していく可能性があるからです。
労働条件については最低限の希望だけを伝えておくに留めましょう。
また、企業側から質問されていないのに自分から発言するのも、面接官の態度を見て決めたいところです。
逆質問は「ライバルに差をつける」チャンス
面接の最後には「そちらから何か質問はありますか」と聞かれるのがパターンです。
社交辞令と受け取った転職者は「特にありません」と答えてしまいがちですが、
「逆質問」は面接官に自己PRできる最後のチャンスです。
そして、逆質問を放棄すると「消極的」とのイメージを持たれかねません。
とはいえ、逆質問で面接官をうならせるほどの質問をする転職志望者は滅多にいません。
そこで、おすすめしたいのが「面接の内容を掘り下げる質問」や「事業内容について深く聞く質問」です。
いずれも面接への意気込みを感じさせる質問なので面接官には高く評価されます。
そのためにも、企業研究をしっかりと行って面接にも集中し続ける必要があります。
転職活動の面接は新卒のように「やる気」や「勢い」を押し出して乗り越えられるものではありません。
社会人としての経験値をアピールし、面接官から「一緒に働きたい」と思ってもらいましょう。